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2006年 11月 28日
28 November 2006 / PSR Time Rates.
[原文] 2006年11月28日の公式サイトの日記。
PSR Time Rates.
インタビュー掲載は一回休み。こういった「いかにもPeteらしい」日記は久しぶりです。自分達の為に頑張ってくれているスタッフ達に対する感謝の気持ちを表しています。


夜によく眠れなかった。なんとか眠ろうと努め、結局午後3時までベッドの中にいた。

今は午後3時40分だ。

起きてから現在までの40分間は、それが時間というものの不可思議な性質の一つだが、いつのまにか過ぎ去ってしまった。たとえほとんどの人が今の時間を昼下がりと呼ぶとしても、私にとっては夜明けに他ならない。私が起きてからの時間は、親が自分の子供達に学校に行くための支度を全て済ませてやり、スクールバスに乗せるか車で送っていくかする時間と同等の長さと言える。そして、そう、私のアインシュタイン的理論に従えば、この時間は1日のうち他のどの時間よりも速く過ぎ去っていく。少なくとも3倍は速いだろうし、時にはそれより速く過ぎることすらある。

まず目覚まし時計の鳴る音が聞こえる。例えば午前6時30分に。目覚ましを止め、うめき声を上げる。ベッドから体を起こし、ばかげた不合理さを感じながらスリッパに両足を突っ込んだだけでもう時刻は6時35分だ。なぜそんなことになるのだろう?トイレに入り、歯を磨いて、ガウンを羽織る。それで6時45分。もしここまでの全ての行動をゆっくりと時間をかけて行ったとしたら(まるで王子様がウィッグか何かにパウダーをふりかけて整えている時のように)、この大切な15分もの時間のロスにも納得がいくだろう。だが実際に起こっていることは何かというと、目覚ましの音を聞くと同時にとにかく歯だけは磨いておくというだけだ。それだけのことに15分もかかるはずがない。しかし証拠はすぐそこの時計盤に残されている。ただ時間を確認したというだけでまるまる1分もかかってしまうらしい。6時46分だ。

飼犬に餌と水を与えるのにさらに15分が必要となる。やかんのお湯が沸いている。7時1分には事態は少しはましになったように見える。子供たちを起こし、朝食を作り始める時間だ。ちょっと待ってくれ、ほんの少しでいい、紅茶を一口飲んで、犬を手荒く撫でてやり、新聞の見出しをチェックして窓の外を眺めたい。そうしているうちに30分が経った。これこそ人間の理解を超えている。子供たちはまだ眠っている。トーストは冷めつつある。時計は7時31分を示している。全く!

現在私が感じているのはこういうことだ。「たとえ午後であっても、時はPSR時間で進んでいる」(PSRとはPre-School-Run、学校の前の慌しい時間を指す)我々はマンハッタンから今夜ライブを行うブリッジスポットまでの長い距離を車に揺られることになるが、ちょうど通勤時間にあたるので、その「早い」時間を大事に使って頭を冷やしたり、私自身や、私の睡眠や、私の失敗や、私の功績や、そして私の薄くなった髪が全てではないということを心に刻んだりしようと思っている。学校に連れていかなければならない子供もいないことであるし。

今の状況においては、私にとって「学校」とは今まで演奏したことのないライブ会場と、素晴らしいプロダクション・クルーによって運び込まれ、設営され、我々の為に準備された見事なステージの上だ。スタッフの皆が充分な睡眠を取っているとはとても思えず、トラックやバスに乗っている間を除いて眠る暇などほとんどないと言える。このアメリカ中を回っている大昔のロックンロールの奇妙な移動式学校で、もしRogerと私が共同で校長を務めていたとしたら、我々は最初のホームルームとお祈りの時間のチャイムを午後8時45分ぴったりに鳴らすようにするだろう。そして勿論、PSR時間のあまりにも信じがたい速さにそのまま匹敵するような奇跡的な努力によって、スタッフ達はなんとか仕事をやり遂げている。


by yukie909 | 2006-11-28 14:42 | diary


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