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2005年 12月 01日
1 December 2005 / Frank Auerbach - To The Studio
[原文] 2005年12月1日の公式サイトの日記。
Frank Auerbach - To The Studio
イギリスの画家Frank Auerbachについての話。TowserTVで24時間、Auerbachに関する映像がループ再生されました。その後続けてPeteがひたすらスタジオで作業したり語ったりしている「Poised」が流されています。


24時間限定で「To The Studio」を流す予定でいる。これはJake AuerbachとHannah Rosthchildにより制作された、稀有なイギリスの画家Frank Auerbach(※主な作品はこちらについての映像だ。彼は私にとって恐らく(Lucian Freudと並んで)最も愛する今も生存中の画家と言える。FreudやAuerbachのような画家が卓越しているのは、日々の仕事を規律と献身、並外れた集中力をもって取り組んでいるからだ。

Jake AuerbachはLucian Freud
(※主な作品はこちらについてのドキュメンタリーも撮っている。彼とFrancis Bacon(※主な作品はこちら。「知は力なり」「随想録」で知られる著名な哲学者とは別人ですが傍系の末裔とのこと)、Frank Auerbachは恐らくイギリスの画家のビッグ・スリーと見なされているだろう。Baconは既に亡くなってしまった。しかしこの3人は時おり慣習的に顔をあわせる以上のものを分かち合っていた。その主題は絵を描くことだった。ただひたすら絵を描くだけだ。他のことはほとんどしない。時々は性的なことを考えたり、ランチを取ったりはしたかもしれないが、絵を描くことこそが最も重要な事柄だった。
アーティストとしてのAuerbachの自己鍛錬だけでなく、彼の為に座ってモデルを務める人の精神力も、彼の日々の生活を面白く感動的なものにしている。FreudとAuerbachの2人にとってモデルの存在はとても重要で、、彼等には完全な忠誠心と勤めを果たす心が求められた。

私のBlogで「The Boy Who Heard Music」を読んでいる人は、音楽が実際には何の為のものなのかを表そうという試みを始めているのが見えてくるだろう。音楽を作る者がいて、それを伝える者がいて、音楽により観客から反響を得る者がいて、アイデアやコンセプトや人を音楽的なテーマ・曲において盗もうとする者がいる。自分の目的のために音楽を利用する者が沢山いる。

「The Boy Who Heard Music」は残念ながら、恐らく音楽漬けの毎日で培われた自己に対するイデオロギーの一種だ。現実の世界で起こるのはきっと不可能であるから、フィクションとして功を奏している。だがFrank Auerbachが、彼の前でポーズを取る為に健気にも人生で多大なものを諦めてきたモデル達なしには絵を描けなかったように、私も「モデル」なしにはミュージシャンとしての仕事ができない。従って、何もかも私一人だけでやったように見えることも、実はそうではない。
(※ここでは「モデル」と訳した「sitter」ですが、後にPeteが進める「METHOD」プロジェクトでは音楽の断片を提供する人を「sitter」と呼んでいます)

最近のコンサート(ほとんどがCarrie PrattよりDVDの形で無料でもらったものだ)のループ映像を楽しんでいるThe Whoのファン達が、この「To The Studio」の映像を見るのに時間を割いてくれることを願う。この作品は別ジャンルのアーティストについてのものだが、同じようにひたすら全力を尽くしている。本日のイギリス時間で15:00にループを始める。12月2日(金)の同じ時間になったら新しく「Poised」を流す。

私の映像「Poised」では、私が丸一日を自分の作業、ただ音楽を作ることだけに没頭している時、それは自動的に充実した実りの多い仕事になるようなものではないということがわかるだろう。私自身がそうなることを願ってはならない。だが私はFrank Auerbachのように自分を奮い立たせるようなことはしない。もしそうしたら何が起こるだろうと考えている。


by yukie909 | 2005-12-01 03:20 | diary


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